パソコンで首が痛い・目が疲れる|まぶしさと僧帽筋の深い関係

肩こり
この記事は個人の体験談と参考書籍をもとにした健康情報です。医療的な診断・治療に代わるものではありません。持病のある方・服薬中の方は必ず主治医にご相談ください。
パソコンで首が痛い・目が疲れるの挿絵(水彩)

夕方になると首の付け根が重く、目の奥までじんわり疲れている。パソコンで首が痛い・目が疲れるという悩みは、デスクワークの多い30〜50代の方からよく伺います。首と目は別々の場所に見えますが、画面のまぶしさで目を細める小さな力は、後頭部から首、僧帽筋へと膜を通じて広がっていくと考えられます。柔道整復師として日々身体に触れている整体師目線から、首と目の不調が同時に起きる仕組みをひも解いていきます。

パソコンで首が痛い・目が疲れるが同時に起きるのはなぜか

パソコン作業中の身体は、一見じっとしているようで、実は細かな働きを続けています。画面の文字を追う目、頭を支える首、腕を浮かせて支える肩。この三つが同じ時間、同じ姿勢で働き続けることが、首の痛みと眼精疲労(目を使い続けたことによる疲れや重さ)が一緒に出やすい背景にあると考えられます。

頭の位置が前に出ると、首は何をしているか

画面を見つめていると、知らないうちに頭の位置が前に出ていきます。頭の重さは一般に体重の1割前後と言われ、前に出るほど、首の後ろの筋肉はそれを後ろから引き留める仕事を担うことになります。首の自然なカーブが少ない状態はストレートネックと呼ばれることがあり、こうした姿勢が長く続くと、首の後ろへの負担が増えている可能性があります。

目と首は同じチームで動いている

目がものを見るとき、眼球だけでなく頭や首もわずかに動いて視線を支えています。画面の一点を長く見る作業は、目と首のどちらにも「動かずに保つ」仕事を求めます。動かない時間が長いほど筋肉はゆるむタイミングを失い、首こり・肩こりといったデスクワーク特有の重だるさにつながりやすくなります。

  • 近くの画面に焦点を合わせ続ける目
  • 前に出た頭を支える首の後ろ
  • キーボードやマウスのために腕を浮かせ続ける肩

これらは別々の不調ではなく、一つの姿勢のなかで同時に起きていることです。では、なぜ「まぶしさ」がここに関わってくるのでしょうか。

まぶしさで目を細めると首の付け根が固まる仕組み(目の動きと後頭下の筋肉、僧帽筋の血流)

画面がまぶしいと感じるとき、私たちは無意識に目を細めたり、眉間に力を入れたりします。部屋の明るさに対してモニターの明るさが強すぎる場合や、窓や照明の光が画面に映り込む場合、その目の不快感を避けようとして、目元の小さな筋肉が働き続けることになります。

後頭下筋群と目の動きの関係

首の付け根、後頭部のすぐ下には、後頭下筋群と呼ばれる小さな筋肉の集まりがあります(頭蓋骨と首の一番上の骨をつなぐ、指先ほどの大きさの筋肉です)。解剖学の専門書では、この筋肉には身体の位置や動きを感じ取るセンサーが多く備わり、目の動きと連動して頭の向きを細かく調整する役割を担っていると説明されています。

まぶしさで目を細め、画面の一点を凝視する状態が続くと、目元の緊張とともに後頭下筋群も働きっぱなしになります。首の付け根が固まる感覚が夕方に強くなるのは、この小さな筋肉の働きが一日分積み重なっていることが関わっていると考えられます。

僧帽筋の血流と「重さ」の感覚

僧帽筋は、後頭部から首、肩、背中の中ほどまで広がる大きな筋肉です。その上部は後頭部の骨に付着しており、首の付け根と肩をつなぐ位置にあります。筋肉は縮んだりゆるんだりを繰り返すことで、ポンプのように血液の流れを助けています。同じ姿勢で力が入りっぱなしになるとこのポンプの働きが少なくなり、僧帽筋の血流が滞りやすい状態になると言われています。肩の重さや張りとして感じるものの一部には、こうした背景があると考えられています。

すーさん夫婦の龍ケ崎整体院の施術の現場では、目の疲れを訴える方の首の付け根に触れると、左右どちらかに強い張りを感じることが少なくありません。画面の配置や、よく使う側の目について伺うと、思い当たる方もいます。これは施術の現場で感じている傾向であり、医学的に確かめられた事実ではありませんが、目と首を分けずに見る理由の一つになっています。

額から後頭部、首、肩へ続く膜のつながり(筋膜マニピュレーションとオステオパシーの視点)

首と目のつながりは、筋肉だけでは説明しきれない部分があります。そこで整体師として注目しているのが、筋膜をはじめとする膜のつながりです。

額から首、肩へと続く一続きの構造

額には前頭筋という筋肉があり、頭頂部を覆う帽状腱膜(頭のてっぺんを覆う、薄く強い膜)を介して、後頭部の後頭筋とつながっています。ネッター解剖学などの解剖書を開くと、頭皮は前から後ろへ一続きの構造として描かれています。後頭部からはさらに、首の後ろの深い筋膜や項靭帯(首の後ろの中央を縦に走る靭帯)、僧帽筋の付着部へと組織が連なっていきます。

つまり、まぶしさで眉間や額に力が入ると、その張力が頭皮を通じて後頭部へ、さらに首、肩へと伝わる経路があるということです。目元の小さな緊張が、離れた肩の重さとして感じられることがあるのは、この連続性で説明できる可能性があります。

筋膜マニピュレーションとオステオパシーの視点

筋膜マニピュレーション(イタリアのステッコ氏らが体系化した筋膜の考え方)では、筋膜を全身に張りめぐらされた一つながりの構造として捉え、ある部位の張りが離れた部位の動きにも影響すると考えます。オステオパシーでも、身体は一つのまとまりとして働き、構造と働きは互いに関係しあうという考え方を大切にしています。

私(鈴木大樹)はオステオパシーの専門校にて学習中で、頭蓋骨概論や組織テクニックなどのセミナーも受講してきました。これらは学んだ内容であって、症状を診断・治療できるという意味ではありません。そのうえで、頭や首の膜のつながりを意識して触れると、首の痛みと目の疲れを一つの流れとして捉えやすくなると感じています。

整体師として考えていることは、noteにも書いています。
→ https://note.com/honest_rose9929

痛いところだけでは終わらない、整体師が作業環境と全身を見る理由

首が痛いと、その場所だけを何とかしたくなるものです。もちろん首そのものにも触れますが、私たちが大切にしているのは、痛いところだけでは終わらせず、その負担がどこから来ているのかを全身と作業環境の両面から見ることです。茨城県龍ケ崎市で日々施術をしていても、在宅勤務やデスクワークの方から、首と目のつらさを同時に伺う機会は多くあります。

作業環境と首肩の不調を見直す視点

首と目の負担には、身体の外にある条件も関わります。厚生労働省の情報機器作業に関するガイドラインでも、画面のまぶしさや照明、作業の合間の休止などに配慮することが示されています。見直しの方向性としては、次のような点が考えられます。

  • 部屋の明るさと画面の明るさの差が大きすぎないか
  • 窓や照明の光が画面に映り込んでいないか
  • 画面が近すぎたり低すぎたりして、頭が前に出ていないか
  • 同じ姿勢で画面を見続ける時間が長くなっていないか

どれも小さな工夫ですが、まぶしさで目を細める場面が減れば、目元から首へ伝わる張力のきっかけも少なくなると考えられます。

首の外側にも目を向ける理由

施術の現場では、首と目のつらさで来られた方の胸まわりや腕の付け根、呼吸に関わる横隔膜のあたりに硬さが見られることがあります。座りっぱなしで骨盤が後ろに倒れると背中が丸まり、その上に乗る頭は前に出やすくなります。首の負担は、骨盤や胸郭(肋骨で囲まれたかご状の部分)の状態の上に成り立っているとも言えます。そのため、首だけでなく、関係していると考えられる部位もあわせて確認しています。

セルフケアについて整体師としてどう考えているかは、noteにも書いています。
→ https://note.com/honest_rose9929

なお、手や腕のしびれ、急な見え方の変化、強い頭痛、吐き気や発熱を伴う場合、またこうした症状が続く場合や強い痛みがある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

まとめ

パソコンで首が痛い・目が疲れるという悩みは、目、首、肩がそれぞれ別々に疲れているのではなく、まぶしさで目を細める小さな力が後頭下筋群や僧帽筋へと伝わり、膜のつながりを通じて広がっている可能性があります。画面の明るさや映り込み、頭の位置といった作業環境を見直すこと、そして痛いところだけでなく全身のつながりに目を向けることが、首と目の不調を考える手がかりになると考えています。

免責事項:本記事は個人の体験談および一般的な健康情報の提供を目的としており、医療診断・治療に代わるものではありません。同様の効果を保証するものではありません。持病のある方・服薬中の方は生活習慣の変更前に必ず主治医にご相談ください。

参考文献

本記事の作成にあたり参照した研究論文です(内容は要約・意訳したものであり、原文の直接引用ではありません)。

  1. Discomfort glare and psychological stress during computer work: subjective responses and associations between neck pain and trapezius muscle blood flow(Int Arch Occup Environ Health 2020) PubMed
  2. Effects of psychophysiological stress on trapezius muscles blood flow and electromyography during static load(Eur J Appl Physiol Occup Physiol 1995) PubMed

よくある質問

Q. パソコンを見ていると首が痛くなるのはなぜ?

A. 画面を見続けると頭が前に出やすく、頭の重さを首の後ろと僧帽筋が支え続けます。動きの少ない緊張が長く続くと筋肉の中の血の巡りが滞りやすく、重だるさや痛みとして感じやすくなると考えられています。

Q. 画面がまぶしいと肩までこるのはどうして?

A. まぶしさを感じると目を細め、額や目の周りに力が入ります。目の動きと首の付け根の小さな筋肉は連動しやすく、額から後頭部、首の後ろへは膜の連なりもあるため、目元の緊張が首肩の張りへ広がりやすいのです。

Q. 目の疲れと首の痛みが続くときは病院に行くべき?

A. 休んでも痛みや疲れが続く、手のしびれや視界の異常、強い頭痛がある場合は、眼科や整形外科などの医療機関で相談してください。頸椎や眼の病気が隠れていないかを確認したうえで、身体の使い方を見直すことが大切です。

鈴木大樹

鈴木大樹(すずき だいき)

柔道整復師 / オステオパシー専門校在学中 / 産後リハビリ国際セミナー修了

茨城県龍ケ崎市で妻・佳代とともに整体院を営む整体師。食・自然療法・筋膜のつながりを臨床と学びの中で深め、「なぜ身体はそうなるのか」を発信し続けています。

さらに深く知りたい方へ

デスクワークやスマホの姿勢と首・肩のつらさについて、研究で言えることと言えないことを分けて、noteに書いています。

・「座りっぱなしだから、首と肩がつらい」は、どこまで本当か|デスクワークと首・肩の研究を、言えること・言えないことに分けて読む(有料)
・「スマホを見る姿勢のせいで、首が痛いのでしょうか」|首の角度と痛みの研究を、関連あり・関連なしの両方から同じ物差しで読む(有料)
・揉んでも戻ることについて、痛い場所だけでは終わらないと整体師が考える理由(有料)

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