だるさが続くのは食事かも|超加工食品と腸内炎症

自然療法
この記事は個人の体験談と参考書籍をもとにした健康情報です。医療的な診断・治療に代わるものではありません。持病のある方・服薬中の方は必ず主治医にご相談ください。

「寝ても疲れが抜けない」「なんとなく体が重い」——その背景に、毎日の食事の加工度が関わっている可能性があります。研究では、超加工食品の摂取量が多いほど心血管疾患のリスク上昇と関連するとされ、食品添加物や精製された原材料が炎症に関わる経路が指摘されています。一方で、野菜・豆類・魚・ナッツ中心の食習慣は腸内細菌の抗炎症的な特徴と結びつくという報告もあります。身体の内側で起きていることを、整体師の視点から仕組みとして整理してみます。

疲れが抜けない日が続くとき、食卓の「加工度」を見てみる

施術の現場では、「特別なことは何もしていないのに、朝から体が重い」という相談をよく受けます。姿勢や睡眠、仕事のストレスを一通り確認しても、はっきりした引き金が見つからないことがあります。そういうとき、私は食事の「中身」ではなく「加工度」を一度たずねるようにしています。

「加工度」という物差し

超加工食品とは、家庭の台所には普通置いていない原材料——たとえば分離された糖類や油脂、乳化剤、着色料、香料といった食品添加物を組み合わせて工業的につくられた食品を指す考え方です。菓子パン、清涼飲料、スナック、インスタント麺、一部の加工肉や調理済み惣菜などが該当します。

ここで大事なのは、「良い・悪い」の二分法ではなく、1日の食事全体のうち、どのくらいの割合が超加工食品で占められているかという見方です。忙しい平日、コンビニのパンとエナジードリンク、昼は麺類、夜は惣菜——という日が週の大半を占めていれば、加工度はかなり高い側に寄ります。

  • 朝食が菓子パンと甘い飲み物で終わる日が多い
  • 昼食に野菜や豆類がほとんど入っていない
  • 夕食は買ってきた惣菜が中心で、素材から調理する日が少ない
  • 間食が袋菓子・甘いドリンクに固定されている

こうした日が続いたあと、「だるさが抜けない」と感じる方は少なくありません。もちろん、だるさの背景は人によって異なりますし、食事だけで説明できるものではありません。それでも、毎日3回・年に千回以上繰り返される行為ですから、積み重なる影響を無視しにくいのは確かです。

私自身も、平日はほぼ植物中心の食事にして、週末はBBQや刺身も食べるというゆるいスタイルに変えてから、身体の軽さの感覚が変わってきたと感じています(これはあくまで個人の体験です)。茨城は野菜の産地が多く、龍ケ崎の周辺でも直売所で新鮮な素材が手に入りやすい環境です。その恵みを使わない手はないな、と思うようになりました。

超加工食品が体内の炎症に関わるとされる経路

「食べ物で炎症が起きる」と言われても、実感としてはピンとこないかもしれません。ここでいう炎症は、怪我をしたときの赤く腫れる急性の反応ではなく、自覚しにくいレベルで長く続く慢性炎症のことを指します。研究の文脈では、血液中の炎症マーカー(CRPなど、炎症の程度を推定する指標)が高めに推移する状態として扱われます。

指摘されている主な経路

超加工食品と慢性炎症をつなぐ経路として、研究では次のような点が議論されています。いずれも研究段階の知見であり、「これを食べたからこうなる」という個別の断定ではありません。

  1. 腸内細菌叢の構成が変わる——食物繊維が少なく、精製された糖や脂質に偏った食事は、腸内細菌のエサの種類を単調にします。結果として細菌叢のバランスが偏る方向に働くと考えられています。
  2. 腸の粘膜バリアへの負担——一部の食品添加物(乳化剤など)が腸粘膜の粘液層に影響しうる経路が動物実験レベルで指摘されています。バリア機能が緩むと、本来通さないはずの物質が体内側に届きやすくなる可能性があります。
  3. 免疫系の慢性的な低レベル活性化——上の流れが続くと、免疫が「常時うっすら臨戦態勢」に置かれ、炎症マーカーが高めに推移する状態につながりうる、という筋道です。
  4. 血管への影響——超加工食品の摂取量が多いほど心血管疾患のリスク上昇と関連するという報告があり、その背景に炎症経路が関わっている可能性が示されています。

ここで押さえておきたいのは、これらが「関連が報告されている」段階の話であって、原因と結果が確定しているわけではないということです。生活習慣の研究では、超加工食品をよく食べる人はそもそも睡眠が短い・運動量が少ないといった要素も重なりやすく、切り分けが難しい面があります。それでも複数の集団で同じ方向の関連が繰り返し報告されている点は、知っておく価値があると感じています。

だるさに加えて、体重の急な変化、発熱、強い痛み、しびれなどが伴う場合は、食事の話に落とし込む前に医療機関で相談してください。こうした症状・状態が続く場合や強い痛みがある場合は、自己判断せず医師の診察を受けることをおすすめします。

野菜・豆類・魚・ナッツと腸内細菌が示す抗炎症的な特徴

逆方向の報告もあります。研究では、野菜・豆類・魚・ナッツを中心とした長期的な食習慣が、腸内細菌叢の抗炎症的な特徴と結びつくとされています。また、ナッツの摂取量が多い人では炎症マーカーが低い傾向という報告もあります。

なぜ腸内細菌が炎症に関わるのか

腸内細菌は、私たちが消化しきれない食物繊維やレジスタントスターチを分解して、短鎖脂肪酸と呼ばれる物質をつくります。この短鎖脂肪酸は大腸の粘膜細胞のエネルギー源になり、バリア機能や免疫の調整に関わると考えられています。つまり、細菌に何を食べさせるかが、腸の壁のコンディションに跳ね返るという構図です。

野菜・豆類・ナッツは、この「細菌のエサ」を豊富に含みます。魚に多く含まれる脂肪酸も、炎症の調整に関わる経路が長く研究されてきました。単品で劇的な何かが起きるという話ではなく、抗炎症 食事パターンという「組み合わせと継続」で語られている点が重要です。

臨床的な観点から補足すると、腸の状態は構造にも影響します。オステオパシーの内臓の見方では、慢性的な炎症の後に漿膜(内臓を包む薄い膜)が乾きやすくなり、隣接する組織との滑りが悪くなると整理されます。腸はごくわずかな動きを1日に何千回と繰り返す臓器ですから、その滑りの悪さが積み重なると、周囲の動きの制限として触れる形で現れてくることがあります。

「足す」ほうから考える

実際に食事を変えるとき、超加工食品を引き算しようとすると反動が来やすいものです。施術の現場でお話を聞いていると、うまくいっている方は「減らす」より「足す」から入っていることが多い印象があります。豆や野菜の一皿を先に置いて、結果として加工度の高いものの出番が減る、という順番です。

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整体師が身体を触りながら食生活を尋ねる理由

「整体なのに、なぜ食事の話をするのか」と聞かれることがあります。すーさん夫婦の龍ケ崎整体院では、身体の構造・内臓・頭蓋という軸と、食事や生活習慣という軸を切り離さずに見ていく考え方を大切にしています。

お腹の状態は触るとわかる部分がある

内臓の触診では、腹部の組織の張りや、呼吸に伴う微細な動きの出方を確認します。これまで診てきた範囲では、食生活が加工食品中心に偏っている時期の方は、腹部全体がやや硬く、呼吸に伴う動きが乏しく感じられることがあります。もちろん、これは炎症を判定しているのではなく、あくまで触診上の印象です。炎症の有無を手で判断することはできませんし、診断は医療機関の役割です。

それでも、腹部の動きが乏しい状態が続くと、横隔膜の動きや腰背部の緊張と連動しやすくなります。オステオパシーの見方では、一つの制限が隣接する構造へ波及していく「連鎖」として整理されます。腰や肩の施術をしていても、お腹側の条件が変わらないと戻りやすい、という場面は珍しくありません。

手技と生活の両輪で見る

だからこそ、施術では関係していると考えられる部位もあわせて確認しながら、同時に日々の食事のリズムをうかがいます。手技でできることは、組織の緊張や動きの制限に対して働きかけ、身体が本来の動きを出しやすい条件を整えることです。そこに、毎日3回の食事という土台が重なると、変化の持続の仕方が違ってくると感じています。

施術時間は約45分。その中で、身体の状態をお伝えしながら、生活のどこに無理が出ているかを一緒に整理していきます。龍ケ崎近郊だけでなく茨城県内の各地から来られる方がいますが、共通して多いのは「忙しくて食事が後回しになっている」という声です。

なお、食事・腸活の実践的な部分については、食と身体のつながりについてnoteで整体師の実体験とともに詳しく書いています。
→ https://note.com/honest_rose9929

まとめ

だるさが長く続くとき、原因を一つに絞り込むことはできません。ただ、超加工食品の摂取量と心血管疾患リスクの関連、食品添加物や精製原材料と炎症をつなぐ経路、そして野菜・豆類・魚・ナッツ中心の食習慣と腸内細菌叢の抗炎症的な特徴——これらの報告を並べてみると、日々の食事が体内の炎症状態に関わりうるという視点は持っておいて損がないと思います。まずは「加工度を少し下げる」という一歩から。体調の変化が強いときは、医療機関での相談も忘れずに。

免責事項:本記事は個人の体験談および一般的な健康情報の提供を目的としており、医療診断・治療に代わるものではありません。同様の効果を保証するものではありません。持病のある方・服薬中の方は生活習慣の変更前に必ず主治医にご相談ください。

参考文献

本記事の作成にあたり参照した研究論文です(内容は要約・意訳したものであり、原文の直接引用ではありません)。

  1. Ultra-processed Foods and Cardiovascular Diseases: Potential Mechanisms of Action(Adv Nutr 2021) PubMed
  2. Long-term dietary patterns are associated with pro-inflammatory and anti-inflammatory features of the gut microbiome(Gut 2021) PubMed
  3. Associations between nut consumption and inflammatory biomarkers(Am J Clin Nutr 2016) PubMed
  4. Associations between degree of food processing, inflammatory biomarkers and colorectal cancer survival: a prospective cohort study(Food Funct 2026) PubMed

よくある質問

Q. 超加工食品ってコンビニ弁当も入りますか?

A. 多くの調理済み惣菜や菓子パン、清涼飲料などは加工度が高い分類に入るとされます。厳密な線引きより、精製原材料や添加物の多い食品が食事全体の何割を占めているかという視点が実用的です。

Q. だるさと腸内環境は本当に関係があるのですか?

A. 食習慣が腸内細菌の構成と結びつき、炎症指標の違いと関連するという報告があります。腸は免疫細胞が集まる場所でもあり、腸内環境の変化が全身のコンディションに影響しうると考えられています。

Q. ナッツを食べると炎症は下がりますか?

A. ナッツ摂取量が多い人では炎症指標が低い傾向という報告がありますが、単品で結果が決まるわけではありません。食事パターン全体の加工度や多様性が背景にあると考えるのが自然です。

鈴木大樹

鈴木大樹(すずき だいき)

柔道整復師 / オステオパシー専門校在学中 / 産後リハビリ国際セミナー修了

茨城県龍ケ崎市で妻・佳代とともに整体院を営む整体師。食・自然療法・筋膜のつながりを臨床と学びの中で深め、「なぜ身体はそうなるのか」を発信し続けています。

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