赤ちゃんの黄昏泣きはいつまで|乳児コリックの原因と仕組み

オステオパシー
この記事は個人の体験談と参考書籍をもとにした健康情報です。医療的な診断・治療に代わるものではありません。持病のある方・服薬中の方は必ず主治医にご相談ください。

夕方になると決まって泣き出し、抱っこしても授乳しても泣き止まない。生後1〜3か月の赤ちゃんを育てる保護者の多くが、理由の分からない長い泣き声に疲れと不安を抱えています。昔から黄昏泣きと呼ばれてきたこの泣き方は、医学的には「乳児コリック」と呼ばれる状態と重なる部分があります。この記事では、研究で示されている乳児コリックの経過と原因の説を整理します。そのうえで子育て中の整体師として、まず医師に確認してもらうことと、保護者自身の心と身体を支えることの意味をお伝えします。

赤ちゃんが夕方に泣き止まないのはなぜ?乳児コリックとはどんな状態か

乳児コリックとは、元気に育っている赤ちゃんが、はっきりした理由が見当たらないまま長い時間激しく泣き続ける状態を指す言葉です。夕方から夜にかけて泣くことが多いため、日本では黄昏泣きとも呼ばれてきました。ただ、なぜ夕方に多いのかについても、はっきりした答えは出ていません。

保護者の方からよく聞かれる様子には、次のようなものがあります。

  • 授乳やおむつ替えをしても泣き止まない
  • 顔を真っ赤にして、手足に力を入れるように泣く
  • 夕方から夜にかけて、同じような時間帯に泣き出す
  • 泣いていない時間は機嫌がよく、母乳やミルクも飲めている

研究では、乳児コリックは生後6週ごろにピークを迎え、3〜6か月で自然に落ち着くことが多い良性の状態とされています。ここでの「良性」は、時間の経過とともに自然に落ち着いていくことが多い、という意味合いで使われています。

最初に小児科で確かめてほしいこと

ただし、長く泣く背景に別の病気が隠れていることもあります。乳児コリックと考えるのは、医師が他の病気がないことを確認したうえでの話です。次のような様子があるときは、黄昏泣きと決めつけずに早めに小児科にご相談ください。

  • 発熱がある
  • 吐くことを繰り返す、母乳やミルクの飲みが悪い
  • ぐったりしている、いつもと泣き方が明らかに違う
  • 便に血が混じる、体重の増え方が気になる

夜間や休日に迷ったときは、子ども医療電話相談(#8000)を利用する方法もあります。こうした状態が続く場合や、いつもと様子が違うと感じる場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

乳児コリックの原因として考えられている説|腸内細菌叢と消化管の未熟さ

「どうして泣くのか」は、保護者の方がいちばん知りたいことだと思います。けれども、乳児コリックの原因はまだ明らかになっていません。研究では、腸内細菌叢の変化や消化管の未熟さなど、複数の説があると報告されています。どれか一つに決まっているわけではない、というのが現時点での正直な状況です。

腸内細菌叢という視点

生まれたばかりの赤ちゃんの腸では、生後少しずつ細菌が住みつき、腸内細菌叢(腸に住む細菌の集まり)が形づくられていきます。生後数か月はその途中にあたり、この時期の腸内細菌叢の変化がコリックに関わっているのではないか、という説があります。

ここで気をつけたいのは、「関わっているかもしれない」ことと「原因である」ことは別だという点です。腸内細菌叢の違いが泣きにつながるのか、別の要因の結果として違いが見えているのかは、まだ分かっていません。

消化管の未熟さという視点

赤ちゃんの消化管(食道から腸までの通り道)は、母乳やミルクを消化し、腸を動かし、ガスを送り出すしくみを身につけている途中です。この消化管の未熟さがお腹の不快感につながり、泣きとして表れているのではないか、という見方もあります。

整体師として大切にしたいのは、分からないことを分からないままお伝えすることです。「黄昏泣きの原因はこれです」と言い切る情報を見かけたら、少し立ち止まって読んでみてください。原因が一つに決まっていないからこそ、保護者の方が自分の関わり方を責める必要もないと考えています。

食と身体のつながりについては、noteで整体師の実体験とともに詳しく書いています。→ https://note.com/honest_rose9929

生後6週がピーク、3〜6か月で落ち着くことが多い理由を整体師はどう見るか

研究で示されている経過をまとめると、生後数週から泣く時間が増えはじめ、生後6週ごろにピークを迎え、3〜6か月で落ち着いていくことが多い、という流れです。ただ、なぜこの時期に落ち着いていくのか、その理由ははっきりしていません。

ここから先は研究の結論ではなく、オステオパシーを学ぶ整体師としての見方です。

身体の仕組みが噛み合っていく時期

オステオパシーでは、身体を部分ではなく、つながりとして捉えます。たとえば呼吸のたびに横隔膜(胸とお腹を仕切る膜状の筋肉)が上下し、その動きに合わせてお腹の臓器も受け身に動いている、という考え方があります。

生まれて数か月の赤ちゃんは、子宮の中ではしていなかった仕事を一度に覚えている最中です。

  1. 肺で呼吸をする
  2. 口から栄養をとり、消化管で消化する
  3. 腸を動かし、ガスや便を送り出す
  4. 昼と夜のリズムをつくっていく

3〜6か月という時期は、こうした仕組みが少しずつ噛み合っていく時期と重なっているように、私は感じています。とはいえ、これはあくまで整体師としての見方で、それがコリックが落ち着く理由だと示されているわけではありません。

施術について、この記事で言わないこと

今回紹介した研究は、オステオパシーなど特定の施術の効果を調べたものではありません。そのため、この記事では施術によって乳児コリックが変わるとはお伝えしません。それよりも、時間とともに落ち着いていくことが多いという見通しを知っていただくほうが、いまの保護者の方にとって意味があると考えています。終わりが見えない泣き声と、いつか落ち着くことが多いと分かっている泣き声とでは、受け止める側の心の負担が違うからです。

整体師として考えていることは、noteにも書いています。→ https://note.com/honest_rose9929

泣き声に向き合う保護者の心と身体|安心感がケアの一部になり得る理由

研究では、他の病気がないことを医師が確認したうえで、保護者への支援や安心感の提供がケアの重要な要素となる可能性が示されています。泣き止まない時間が毎日続けば、保護者のストレスが大きくなるのは自然なことです。泣き止ませられないのは、あなたの抱き方や関わり方が足りないからではありません。

限界を感じたときに

どうしても気持ちが追いつかないときは、次のような方法があります。

  • 赤ちゃんをベビーベッドなどに仰向けに寝かせ、少しその場を離れて深呼吸する
  • パートナーや家族と交代する
  • 小児科や地域の保健センター、#8000に相談する

厚生労働省も、泣き止まない赤ちゃんを激しく揺さぶらないよう呼びかけています。つらいときにその場を離れることは、赤ちゃんを守るための選択の一つです。

保護者の身体にも目を向ける

茨城県龍ケ崎市で開いている、すーさん夫婦の龍ケ崎整体院の施術の現場では、生後数か月のお子さんを育てている方が、首や肩、背中まわりの張りを訴えて来られることがあります。長い時間の抱っこや授乳の姿勢、途切れがちな睡眠が重なっているのかもしれません。もちろん人によって背景は異なります。

私自身も子育て中の整体師として、保護者の身体と心に余裕が生まれることは、赤ちゃんと向き合う時間そのものを支えることにつながると考えています。実際に来られる方のなかには、お子さん連れで抱っこしたまま施術を受ける方もいます(入口に段差があるため、ベビーカーは入口に置いていただく形です)。

まとめると、黄昏泣きと呼ばれる乳児コリックは、研究では生後6週ごろにピークを迎え、3〜6か月で自然に落ち着くことが多い良性の状態とされています。原因はまだ明らかではなく、腸内細菌叢の変化や消化管の未熟さなど複数の説があります。まずは小児科で他の病気がないかを確認してもらい、そのうえで保護者自身が支えを受け取ることも、大切なケアの一部と考えられます。一人で抱え込まず、周りの手を借りてください。

免責事項:本記事は個人の体験談および一般的な健康情報の提供を目的としており、医療診断・治療に代わるものではありません。同様の効果を保証するものではありません。持病のある方・服薬中の方は生活習慣の変更前に必ず主治医にご相談ください。

参考文献

本記事の作成にあたり参照した研究論文です(内容は要約・意訳したものであり、原文の直接引用ではありません)。

  1. Infantile Colic: Recognition and Treatment(Am Fam Physician 2015) PubMed
  2. Colic in infants(BMJ Clin Evid 2010) PubMed
  3. Infantile colic(BMJ Clin Evid 2007) PubMed

よくある質問

Q. 赤ちゃんの黄昏泣きっていつまで続くの?

A. 研究では、乳児コリックの泣きは生後6週ごろにピークを迎え、3〜6か月ごろに自然に落ち着くことが多いと報告されています。ただし個人差があるため、長引くときや様子が気になるときは小児科で相談してください。

Q. 乳児コリックの原因は何?ミルクや母乳のせいなの?

A. 原因ははっきり分かっていません。腸内細菌叢の変化や消化管の未熟さなど複数の説がある段階で、授乳方法など一つの要因だけで説明できるものではないと考えられています。保護者のせいと決めつける必要はありません。

Q. 赤ちゃんが泣き止まないとき、病院に行ったほうがいい?

A. 発熱や嘔吐がある、ぐったりしている、体重が増えない、いつもと違う泣き方をするなどの場合は早めに受診を。乳児コリックは他の病気がないことを医師が確認したうえで考えるものなので、迷ったらまず小児科に相談しましょう。

鈴木大樹

鈴木大樹(すずき だいき)

柔道整復師 / オステオパシー専門校在学中 / 産後リハビリ国際セミナー修了

茨城県龍ケ崎市で妻・佳代とともに整体院を営む整体師。食・自然療法・筋膜のつながりを臨床と学びの中で深め、「なぜ身体はそうなるのか」を発信し続けています。

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